IPA Fonts/IPAex Fonts (2書体パック_IPAexフォント(ver.002.01)) | 2012-11-08 09:36 |
小さなピクセルサイズの文字表示品質を向上するために、ヒント情報を付加しました。 ヒント情報とは、アウトラインフォントを低解像度のモニターなどに出力する際、小さい文字が潰れたり、線幅が不ぞろいになったりするのを補正するためにフォント内に設定する情報のことです。
IPAフォントは、OpenType Font仕様書(*1)に準拠することで、マルチOSでの使用を前提とした相互運用性を確保し、公共フォントとしての規範となることを目指しています。 今回、OpenType Font仕様に準拠していなかった以下の項目について変更をおこないました。
emユニットを1000から、2048 に変更しました。 emユニットとは、フォント作成時にグリフの大きさや座標を表すための相対的な単位です。OpenType Font仕様書では、TrueTypeアウトラインの場合、emユニットの値は2の累乗とし、2,048 が理想的とされています(*2)。
OpenType Font仕様書では、TrueTypeアウトラインの場合、フォント内部の管理上、グリフIDの先頭キャラクタ(*3)として.notdef、.null、CR、space の4グリフを要求しており、これを新たに収録しました。
【対象】
U+002c:コンマ
U+0030:数字のゼロ
U+003b:セミコロン
U+0044:ラテン大文字ディ
U+0049:ラテン大文字のアイ
U+006c:ラテン小文字のエル
postテーブルheader isFixedPitchのフラッグを「0」にしました。
「IPAフォント(Ver.003.××)」および「IPAexフォント」は、全体的仕様はOpenType仕様(*4)に準拠し、文字図形の曲線の表現方式についてはTrueType仕様に準拠した、「TrueTypeアウトラインベースのOpenTypeフォント」です。これまで、OpenType仕様に準拠してフォントファイルの拡張子を「.otf」としておりましたが、一部のOSで、拡張子が「.otf」となっている TrueTypeアウトラインベースのOpenTypeフォントが正常に認識されないという問題の発生が指摘されておりました。このため、拡張子を「.otf」から「.ttf」に変更しました。一般には拡張子の変更は、利用上の影響はありません。
(*1)OpenType Font仕様書:http://www.microsoft.com/typography/otspec/
(*2)Hinting and production guidelines specification:http://www.microsoft.com/typography/developers/delivery/hinting.htm
(*3) グリフIDの先頭キャラクタ:http://www.microsoft.com/typography/otspec/recom.htm
(*4) Open Type Font:TrueType 形式を発展させたフォントフォーマットであり、アドビシステムズ社、マイクロソフト社が共同で設計し、アップルコンピュータ社が賛同する形で開発・制定され、公開されています。Linux、Windows、Mac OS X 等の異なるプラットフォーム間での互換性が高いデファクトスタンダードのフォントフォーマットです。