概要

Theta "Thought" ShutterS(以下、本アプリと呼びます)は、NeuroSky 社の簡易脳波計であるMindWave Mobile 2 EEGヘッドセット(以下、EEGと呼びます)を使用してRICOH製 THETAのシャッターを切ることができる、Android用のアプリケーションです。
適切に「思う」と撮影できるアプリですが、思うように撮影できない、かもしれません。そのあたり悪しからずご了承ください。

EEGから取得した情報(Attention)が高まったときに静止画を撮影します。プラグイン版(ThetaThoughtShutter)とは異なり、 Wifi経由でTHETAに接続して制御するため THETA S や SCなどのプラグイン非対応機でも撮影可能です。
なお、Thetaに接続しなくても、 MindWave Mobile 2 のセンサ情報をCSVファイルに記録する機能も持っており、簡単な脳波計測用途にもお使いいただけます。

ttss0.jpg
MindWave Mobile 2

インストール

以下リンクのGoogle Play よりインストールしてください。

操作説明

概要

起動後、初期画面を表示しますので、THETAやEEGへの接続ボタンを押してください。

THETAへの接続ができると、THETAの画像を表示します。画面をタッチして上下左右に動かすと、表示領域を変えることができます。また、ピンチイン、ピンチアウトで表示の拡大・縮小ができます。(しかし、拡大しすぎると表示が乱れてしまいます、、、ご注意ください。) 画面を長押しすると、初期表示に戻すことができますので、拡大・縮小や画像を回転させすぎた時にはお試しください。

シャッターボタンを押すと、THETAで撮影ができます。(ビデオ録画モードだと、撮影開始・終了を行います。) 撮影開始・終了のタイミングでは、振動により通知を行います。

設定ボタンを押すと、設定変更をすることができます。各種機能を使用する場合には、設定画面内の設定を変更してみてください。

TTSS-screenTransition.png
画面遷移

画面表示

以下にメイン画面を示します。画面には「THETA接続ボタン」「EEG接続ボタン」「モード切替ボタン」「設定ボタン」「シャッターボタン」があります。

TTS-overview.png
画面表示

なお、起動直後の画面は非常にシンプルです。設定ボタンを押して設定画面にて、お好みの設定に変更してご利用ください。

TTSS-initial.png
起動直後の画面

THETA接続ボタン

画面左下に表示されているボタンです。ボタンを押すと、THETAとの接続を行います。 接続前に、あらかじめTHETAとWIFIの接続を行っておいてください。 THETAと接続できている場合、アイコンが接続中に変化します。

TTSS-connectT.png
THETA接続ボタンの状態

接続していない場合、しばらく経つと「接続失敗」のダイアログを表示します。この場合、WIFI設定を押して、ネットワークの設定画面を開きますのでTHETAと接続を行ってください。

theta-connect.png
THETAと接続失敗

EEG接続ボタン

設定画面で「Mindwave Mobile(EEGヘッドセット)を使用する」にチェックを入れたときにTHETA接続ボタンの右隣に表示するボタンです。 ボタンを押して接続中、接続済に切り替えます。

TTSS-connectB.png
EEG接続ボタンの状態

自動でペアリングをするはずですが、ペアリングが必要だと表示された場合は、0000 でペアリングしてください。

センサの収集状態取得までには、少し時間がかかることもありますが、ご了承ください。

モード切替ボタン

THETA接続中にこのボタンを押すと、静止画撮影モード、動画撮影モードの切り替えを行います。切り替えを行いたいモードをアイコンで表示しています。現在の撮影モードとは異なりますのでご注意ください。

現在の撮影モードは、「機器状態を画面に表示」にチェックを入れたとき、画面左上の 2列目「Capture Mode」が imageの時には静止画撮影モード、videoの時には動画撮影モードを示します。あわせてTHETA本体のランプも参照していただければと思います。

TTSS-mode.png
モード切替ボタン

設定ボタン

設定ボタンを押すと、設定画面を開きます。詳細は、後述する「設定画面について」を確認ください。

シャッターボタン

THETA接続中にこのボタンを押すと、静止画または動画の撮影を行います。撮影のコマンドを受け付けたかどうかは振動(バイブレーション)で通知し、撮影が完了したときにも画面表示と共に通知します。

動画撮影の場合、最初の一回で撮影スタート、もう一回押すと撮影完了となります。この場合も、振動で通知します。

captured.png
撮影完了通知

なお、EEG接続時には、ATTENTION または MEDIATIONの高まりによる撮影(数値が90以上を5秒間続くと撮影する)が行われます。

機器状態の表示

設定画面で「機器状態を画面に表示」を設定した場合の状態表示は、左側にTHETAの状態、右側にEEGの状態を表示します。 右側のように、THETA未接続のままEEGだけの状態表示をすることも可能です。

ttss-status.png
機器状態を表示 (左:THETA、右:EEG)

灰色の球体表示が邪魔だと思う場合には、ピンチイン操作で縮小、もしくは拡大してみてください。

only-eeg.png
EEG状態だけの表示 (ピンチインで球体を縮小表示した例)

それぞれの値は以下です。

THETAの状態

BATTERY

バッテリーの残量(パーセント)を表示します。

Capture Mode

撮影モードを表示します。

  • image: 静止画撮影モード
  • video: 動画撮影モード

Exposure Program

撮影プログラムを表示します。

  • Manual : マニュアルモード
  • Normal : 通常撮影モード
  • Aperture : 絞り優先モード (Z1のみ)
  • Shutter : シャッター速度優先モード
  • ISO : ISO優先モード

STATUS

撮影状態を示します。

  • idle : 撮影待ち
  • shooting : 撮影中 (動画撮影中)

FILTER

フィルターモードを示します。

  • off : フィルターOFF
  • DR Comp : DR compensation
  • Noise Reduction : ノイズリダクション
  • hdr : HDR
  • Hh hdr : Handheld HDR

WB

ホワイトバランスを表示します。

  • auto
  • daylight
  • shade
  • cloudy-daylight
  • incandescent
  • _warmWhiteFluorescent
  • _dayLightFluorescent
  • _dayWhiteFluorescent
  • fluorescent
  • _bulbFluorescent
  • _colorTemperature
  • _underwater

EEGの状態

EEGヘッドセット(MindWave Mobile 2)が取得したセンサ情報を画面表示しています。おおむね1秒おきに更新します。特に、NeuroSky のチップで取得できる ATTENTION, MEDIATIONの値を使用して、THETAの撮影を行います。設定画面で「機器状態を画面に表示」を設定したときに表示します。

ATTENTION

ATTENTIONの値を表示します。値によって表示の色を変化させます。

  • 90超 : 緑
  • 70超 : 黄
  • 50超 : 白
  • 30超 : ライトグレー
  • 30未満 : ダークグレー

MEDIATION

MEDIATIONの値を表示します。値によって表示の色を変化させます。

  • 90超 : 緑
  • 70超 : 黄
  • 50超 : 白
  • 30超 : ライトグレー
  • 30未満 : ダークグレー

脳波データ

設定画面で「機器状態を画面に表示」を設定、かつ、「脳波信号も画面表示」を設定したとき、脳波データを追加で画面表示します。表示内容は以下の通りです。

0.5-2.75Hz

deltaの値です。0~16777215の値をとります。詳細はASIC_EEG_POWER_INTを参照してください。

3.5-6.75Hz

thetaの値です。0~16777215の値をとります。詳細はASIC_EEG_POWER_INTを参照してください。

7.5-9.25Hz

low-alphaの値です。0~16777215の値をとります。詳細はASIC_EEG_POWER_INTを参照してください。

10-11.75Hz

high-alphaの値です。0~16777215の値をとります。詳細はASIC_EEG_POWER_INTを参照してください。

13-16.75Hz

low-betaの値です。0~16777215の値をとります。詳細はASIC_EEG_POWER_INTを参照してください。

18-29.75Hz

high-betaの値です。0~16777215の値をとります。詳細はASIC_EEG_POWER_INTを参照してください。

31-39.75Hz

low-gammaの値です。0~16777215の値をとります。詳細はASIC_EEG_POWER_INTを参照してください。

41-49.75Hz

mid-gammaの値です。0~16777215の値をとります。詳細はASIC_EEG_POWER_INTを参照してください。

設定画面について

設定ボタンを押すと設定画面を表示

TTSS-configure.png
設定ボタン

アプリ制御

アプリ終了

本アプリを終了します。終了前に確認のダイアログを表示しますので「OK」を選択して終了してください。

WIFI設定

AndroidのWIFI設定画面を開きます。THETAにWIFI接続する場合に、ここを選択しWIFI設定画面でTHETAと接続してください。

アプリ設定

ライブ画像を同時保存

THETAで画像を撮影するタイミングでライブビュー(プレビュー)画像を保存したい場合に設定してください。保存先は DCIM/aira01a です。

機器状態を画面に表示

設定すると、画面上に接続した機器の状態を表示します。表示内容は「機器状態の表示 」を参照してください。

カメラ設定

ライブビュー形式(要再起動)

ライブビューの解像度を設定できます。解像度が大きいと、画面更新の遅延リスクは高まりますが、よりきれいなライブビュー画像となります。 設定を反映させるには一度アプリケーションを終了して立ち上げなおしてください。ただし、THETA S, SCの場合は、640x320 の設定にしてください。

  • 640x320 30fps
  • 640x320 8fps
  • 1024x512 30fps
  • 1024x512 8fps
  • 1920x960 8fps

EEG設定

Mindwave Mobile(EEGヘッドセット)を使用する

EEGと接続する場合に設定してください。

脳波シャッタータイプ

EEGで撮影する場合に、その検出タイプを選択してください。「ATTENTION」と「MEDIATION」が選択可能です。(初期値は「ATTENTION」です。) この値が

脳波信号も画面表示

脳波信号も画面表示するときに設定してください。表示内容は「EEGの状態」を参照ください。

脳波信号をCSVファイルに出力

EEGの脳波信号をCSVファイルに出力する場合に設定してください。詳細は、後述の「CSVファイルについて」を参照してください。

GOKIGEN

操作説明

操作説明のページ(本ページ)をブラウザで開きます。

プライバシーポリシー

GOKIGEN プロジェクトのプライバシーポリシーページを開きます。

デバッグ情報

デバッグ情報(LogCat)のページを開きます。

CSVファイルについて

設定画面で「脳波信号をCSVファイルに出力」を設定した場合、EEGセンサデータをCSV形式でファイルに出力します。(ファイルの出力先は /sdcard/Download/ 、ファイル名は、EEG_年月日時分秒.csv になるはず、、です。) 出力ファイルのイメージは以下のようになっています。先頭1行はデータ項目ラベル、2行目から実データとなります。

csv-fileformat.png
CSVファイル形式の例

データは、1行に以下のデータをカンマに区切って格納します。内容の詳細は、ThinkGear Data Values を参照してください。

  • データ受信時間
    • データを受信した時間を出力します。出力形式は 年-月-日_時:分:秒 (秒は小数点以下3桁も表示します。) おおむね1秒ごとに出力されているはずです。
  • ATTENTION
    • ATTENTION情報を出力します。0~100の値をとります。
  • MEDIATION
    • MEDIATION情報を出力します。0~100の値をとります。
  • delta : 0.5 - 2.75Hz
    • 検出した脳波データです。0~16777215の値をとります。詳細はASIC_EEG_POWER_INTを参照してください。
  • theta : 3.5 - 6.75Hz
    • 検出した脳波データです。0~16777215の値をとります。詳細はASIC_EEG_POWER_INTを参照してください。
  • Alpha-Low : 7.5 - 9.25Hz
    • 検出した脳波データです。0~16777215の値をとります。詳細はASIC_EEG_POWER_INTを参照してください。
  • Alpha-High : 10 - 11.75Hz
    • 検出した脳波データです。0~16777215の値をとります。詳細はASIC_EEG_POWER_INTを参照してください。
  • Beta-Low : 13 - 16.75Hz
    • 検出した脳波データです。0~16777215の値をとります。詳細はASIC_EEG_POWER_INTを参照してください。
  • Beta-High : 18 - 29.75Hz
    • 検出した脳波データです。0~16777215の値をとります。詳細はASIC_EEG_POWER_INTを参照してください。
  • Gamma-Low : 31 - 39.75Hz
    • 検出した脳波データです。0~16777215の値をとります。詳細はASIC_EEG_POWER_INTを参照してください。
  • Gamma-Mid : 41 - 49.75Hz
    • 検出した脳波データです。0~16777215の値をとります。詳細はASIC_EEG_POWER_INTを参照してください。
  • PoorSignal
    • 信号の状態を示します。0~255の値をとり、数が大きいほどノイズが大きいことを示します。また、値が200の場合には、肌からセンサが離れていることを意味しています。詳細は Poor Signal Qualityを参照してください。

その他

THETAとEEGは、Bluetooth SPPプロトコルで接続しています。

注意事項(仕様、制約事項)

  • 撮影時の設定モードなどは変更できません。ご了承ください。

動作確認

本アプリは、Theta V / Theta Sでの動作確認を行っています。

permissionについて

本アプリは、次のパーミッションを指定し使用しています。

  • <uses-permission android:name="android.permission.VIBRATE" />
    • アプリの状態を振動で伝えるため
  • <uses-permission android:name="android.permission.ACCESS_NETWORK_STATE"/>
    • THETAとWIFI接続を行うため
  • <uses-permission android:name="android.permission.ACCESS_WIFI_STATE"/>
    • THETAと通信を行うため
  • <uses-permission android:name="android.permission.WRITE_EXTERNAL_STORAGE"/>
    • EEGのセンサ情報を DownloadフォルダにCSV形式で出力するため
  • <uses-permission android:name="android.permission.READ_EXTERNAL_STORAGE"/>
    • Downloadフォルダ、DCIMフォルダにアクセスするため
  • <uses-permission android:name="android.permission.INTERNET" />
    • カメラの撮影を Theta Web API 経由で行うため
  • <uses-permission android:name="android.permission.BLUETOOTH" />
    • EEGヘッドセットとの通信を Bluetooth経由で行うため
  • <uses-permission android:name="android.permission.ACCESS_COARSE_LOCATION" />
    • EEGヘッドセットとの通信を Bluetooth経由で行うため
  • <uses-permission android:name="android.permission.ACCESS_FINE_LOCATION" />
    • EEGヘッドセットとの通信を Bluetooth経由で行うため (過去バージョン対応)
  • <uses-permission android:name="android.permission.BLUETOOTH_ADMIN" />
    • EEGヘッドセットとペアリングを実施するため

変更履歴

  • 1.0.1 : 初版リリース
  • 1.0.2 : ライブビュー(プレビュー)画像を保存するときに、Googleフォトで360度画像と認識できるよう修正。

ソースコード

本アプリはオープンソースです。以下からソースコードを参照することができます。ご利用はご自由にどうぞ。

EEGについて

脳波について軽く触れます。脳波計は、脳から出ている電気を肌に密着させた電極で検出するセンサです。
(体の中にもぐっている脳から出る信号をソナー手が聞いているようなもの、というイメージを持ちました。)

eeg.png
EEGについて

参考リンク

以上