GNOME (23.06.1) | 2023-06-22 08:42 |
LXQt (23.06.1) | 2023-06-22 08:41 |
Plasma (23.06.1) | 2023-06-22 08:41 |
Xfce (23.06.1) | 2023-06-22 08:41 |
この記事は初めてArch系ディストロをお使いになる方、Linuxの経験がある方、何でもかんでも自分で設定したい方、コマンドラインを勉強したい方向けです。既にお使いの方やGentooなどのガチ勢、或いはWindowsしか弄った事がなかったり、そもそもパソコンすら持っていなかったりする初心者はこの記事の対象ではありません。初心者は大人しくKamurikiを使って下さい(宣伝)。
シンプル、最小、上品、正確が売りのGNU/Linux。ここで言うシンプルってのは、「不必要な追加・修正、あるいは複雑化を伴わない」、すなわち「独自の変更を極力行なわない」という意味。独自の変更といったら上流で次回までに修正される予定の不具合なんかの修正とかくらいなんだ。
それと特定の版番号がなく、常に最新なのもポイント。これを「ローリング・リリース」というんだ。どういう意味があると思う?それは大規模な更新がないってコトだ。Windowsは1年毎、Ubuntuだって半年毎にでかいアプデがあるっしょ?アレがないんだわ。ただ余程の事がない限り最新の状態を維持しないと、すぐに取り残されてしまう(特にキーリングとか)。それに未知の不具合があるかも知れない。そういった点ではこれは弱点にもなりえるのである。
それとArchには便利なインストーラーが付属している。どれ、ライブ環境で試しにこのコマンドを打ってみなさい。
archinstall
CalamaresやUbiquityなどのGUIインストーラーと違う点がある。それはカーネル、音声ドライバー、デスクトップ環境を自由に選択できる点だ。公式カーネルは標準カーネルのStable、長期間サポートされるLTS、セキュリティを強化したHardened、日常的な環境に最適なZenがあり、この中から選べるようになっている。インストーラーを使わないならば、他のカーネルも利用できるが…。
音声ドライバーはPipewire、PulseAudioの2種類。そもそも使わないという手段もある。デスクトップ環境は…ライブ起動で試せないという短所があるのだが、様々なモノを選べるようになっている。勿論、気に入らない場合はインストール後に別なのと入れ替えればいいだけだ。
最後に。Archは他のどの上流にも所属しない…どころかそれ自体が最上流のディストロである。
Archを上流としたディストロで、パッケージは殆どがArchに依存している。改造版Archの一つと考えて頂いて結構。特徴についてはUnivalentの特徴を参照されたい。
デスクトップ環境とGUIインストーラー「Calamares」が付属するが、保守だとか不具合だとかはArchと何ら変わらない。判らない事はまずはArchWikiなどで調べたりソフトウェアのリポジトリとかコミュニティーだとかに聞いてみて、それでも無理な場合は我々NJBが手を差し伸べよう。
Archのパッケージは「Pacman」で管理される。「これナムコに怒られないの?」とか言った質問は野暮だ。 先ずはDebianの「dpkg」やレッドハットの「RPM」とはどう違うのか説明しよう。大抵はパッケージ管理ソフトだけではパッケージのダウンロードとか依存関係の解決とかができず、そういう操作はフロントエンド(前者なら「APT」、後者なら「Dandified Yum」、以前は「Yellowdog Updater Modified」)に任せきりなんだ。一方Pacmanはフロントエンドなしでそういった操作ができるのだ!勿論個々のパッケージを弄るのだってお手の物さ。
公式リポジトリにないモノは「Arch User Repository」や各ユーザーが運営するリポジトリに置いてある。前者の場合は「PKGBUILD」というスクリプトファイルを入手してパッケージを構築する。構築したパッケージはPacmanで導入可能(pacman -U hoge.zst)。dpkgやRPMのパッケージは使えないが、AURではこれを解凍してArch用に再構築しているのもあるのだ。 いずれは自分でPKGBUILDを書く必要が出るかも。まあ、今は考えなくていいよ。
それから一々ブラウザーを開いてインストーラーをダウンロードする必要がない。 例えばChrome。Debian系やFedora系の場合はブラウザーを開いてChromeのサイトに飛んでパッケージをダウンロードして…という作業が必要だが、Archはそんな事はない。なぜならAURに置いてあるからだ。
使いたいソフトは自分で入れる、それがArchの掟ジイ。オフィス統合ソフトとか音楽再生とか、そういうのも置いてあるので調べてみてね。
pacman -Ss <pkgname>
そんなあなたに朗報。「Chaotic AUR」という作成済みAURのパッケージが置いてあるリポジトリがある。導入方法は別に調べて頂いて、Univalentはこれが標準化されている。だからパッケージ作成のために高スペックなパソコンを使う必要がないのだ!
……とまあ、Arch初心者向けの情報を書き殴ってみた。これで興味を持った方はぜひ試してみてクレメンス。君達の幸運を祈る!