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水冷スリムサーバ「Express5800/110Ge-S」レビュー

CPU温度の計測

計測対象

今回計測した110Ge-Sの構成は以下のとおりです。

  • 本体:Express5800/110Ge-S(N8100-1470Y)
  • CPU:デュアルコアIntel Xeon 3065(2.33GHz)
  • メモリ:512MB
  • ディスク:2.5インチ SAS×1
  • RAIDカード:N8103-117 RAIDコントローラ(ディスクアレイコントローラ)

比較対象がないと110Ge-Sの冷却性能について判断できないので、今回はミドルタワー型の空冷サーバ「Express5800/110Ge」でもテストを実行しました。テストに用いた110Geの構成は以下のとおりです。

もともと筐体容積の小さい110Ge-Sのほうが冷却性能的には不利なのですが、今回はそれに加えて110Ge-SのほうがCPUのグレードが高く、RAIDカードも搭載しているので110Ge-Sにはかなり不利な状況です。そもそもCPU自体が異なるため、CPU温度を直接比較しても意味がありません。そこでここでは、このような不利な状況を水冷システムがどれくらいカバーできるのか、水冷と空冷で温度の変動の仕方に違いがあるかどうかという点に注目することにします。

計測方法

今回の計測では、Finnixというシステム管理者向けのLinuxディストリビューションを利用しました。このFinnixはライブCD型のディストリビューションで、システム管理用ツールやシステムテストツールなどが豊富に収録されています。ライブCDなので、HDDにインストールせずにCDからマシンを起動するだけで利用できます。Finnixのより詳しい情報については、こちらの記事をご覧ください。

今回は、このFinnixに含まれるlmsensorsとstressを用い、stressでシステムに負荷を掛けながら、lmsensorsのsensorsコマンドでCPUのコア温度を計測しました。なお、実際の計測に当たっては以下のような2つのスクリプト(log.shとstress.sh)を作成して実行しました。

log.sh

  1. #!/bin/bash
  2. fpath="/tmp/coretemp.log"
  3. touch $fpath
  4. date >> $fpath
  5. while true
  6. do
  7. sensors | grep "Core " >> $fpath
  8. sleep 5
  9. done

stress.sh

  1. #!/bin/bash
  2. echo "start test" >> /tmp/coretemp.log
  3. sleep 300
  4. echo "start cpu test" >> /tmp/coretemp.log
  5. stress --cpu 2 -t 600
  6. echo "stop cpu test" >> /tmp/coretemp.log
  7. sleep 30
  8. echo "start cpu/vm/io test" >> /tmp/coretemp.log
  9. stress --cpu 1 --vm 1 --io 1 -t 600
  10. echo "stop cpu/vm/io test" >> /tmp/coretemp.log
  11. sleep 300
  12. echo "stop test" >> /tmp/coretemp.log

log.shはsensorsコマンドで採取したコア温度をログに記録するスクリプトで、stress.shはstressコマンドをパラメータを変えながら自動実行するスクリプトです。sensorsコマンドはコア温度以外の情報も大量に出力するので、grepコマンドでコア温度の部分のみを抽出しています。また、stress.shでは以下のようにシステムへの負荷を変化させています(stressコマンドのオプションについては次ページを参照してください)。

  • アイドル(300秒)
  • CPUへの負荷テスト(600秒)
  • アイドル(30秒)
  • CPU/メモリへの負荷テスト(600秒)
  • アイドル(300秒)

なお、sensorsコマンドを利用する際は、事前にsensors-detectコマンドを実行してlmsensorsの設定を済ませておく必要があります。また、stress.shはテスト終了時に自動的に終了しますが、log.shは終了しないので手動で(Ctrl-Cを押して)停止させます。


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