FreeWnnの新たなアルファ版である1.1.1-a022をリリースします。
開発速度は相当落ちて、前回のアルファ版から7年8か月経ってしまいました。
基本的には前回と同様に現時点のスナップショットとしての性格が強いです。
主な変更点:
- (主にパッケージ管理者向け)各種ファイルをインストールする
パスを一部(FHSのような)現代的なものに合わせられるようにした。
configureで--disable-traditional-layoutオプションを指定する必要がある。
現状ではプログラム類の場所が変更できる程度。(詳細はINSTALL参照。) --program-transform-nameも利用できるようにした。
- 不要なライブラリをリンクしないようにした(libnsl、 libutil)。
また、lib*wnnリンク時に必要なライブラリをリンクすることによりクライアントの構築時にlib*wnnでのみ必要なライブラリを環境ごとに考えなくてもよくなったはず。
- uumが最近の(UNIX98で規定されているような)擬似端末を利用している環境でも構築・動作できるようになった。
utmp(相当)の書き込みのサポートもある場合はuumをsetuid bitなしでインストールできるようになったため、
root権限でuumが悪用される危険性がなくなりやや安心できるようになった。
(setuid/setgidが必要な場合は configureオプションで制御できます。INSTALL参照。)
逆に言えば、setuid/setgidが必要な環境では実験以外での利用はまだおすすめしない。
- uumではtermcap / terminfoなどのライブラリをconfigure内で検出できるようになった。
また、cWnn / kWnnでのuumも構築するようになった(動作については自信がない)。
- バンドルしているLibtoolを1.5.26に更新。2.X系を手元の環境で構築に使う場合の問 題(環境変数SHELLの利用)にも配慮した。
- 非32bit OS(ほとんどの場合、64bit OS)での構築・動作が上手くいかない部分を(当方が把握している限りにおいて)更新。
jserverがクラッシュする事があった。関連して、libwnnのプロトタイプ宣言をヘッダファイル(jslib.h、jllib.h)に追加した。
- --with-*wnn-includesパラメータが機能するようにした(チケット#24188、[freewnn-users 81])。
- 各種OS/Distributionでのパッケージ類はチェックしているが、
そこで問題となっている案件について修正を可能な限り取り込んだ。