TSUCHIMURA Nobuyuki
tutim****@nn*****
2013年 3月 16日 (土) 23:04:53 JST
土村です。 xdvi の置かれている現状の復習をしたいと思います。 * エディタと相互ジャンプ (reverse search) TeX ソースとビューアの間で相互にジャンプする機能 (英語では reverse search と言うらしい)には、 2つの実装があって、古いのが src special、新しいのが SyncTeX です。 src special は、DVI ファイルにスペシャル命令(拡張命令)を書きこむので、 ビューアは DVI ware に限られます。 http://www.nn.iij4u.or.jp/~tutimura/tex/src-special.html Windows では dviout が対応しています。 Unix で日本語対応のものは事実上 xdvi-jp しかありません。 * SyncTeX の登場 新たな実装である SyncTeX では、別ファイルにソースファイルの 位置情報を書きこむので、対応するビューアは DVI ware の必要はなく、 PDF ビューアともジャンプをすることができます。 精度も src special より高そうです。 TeX エンジンでは、海外の pdflatex はもちろん対応しています。 pTeX も TeX Live 2012 あたりから対応しているようです。 対応する PDF ビューアはかなりの数があります。 さすがに AdobeReader ではだめですが、 Windows では SmatraPDF、 Linux では Evince(2.31.5以降)が有力でしょうか。 Okular, zathura, PdfViewer などというものもあるようです。 * xdvi-jp に与えるインパクト xdvi-jp の長所を書き並べてみます。 - 高速です。 - 日本語でエディタと相互ジャンプのできる Unix で唯一のプレビューアでした。 - DVI ファイルが更新されたら自動で読み込み直してくれます。 - 操作がキーボードからもできて玄人が好きそうです。 ところが、SyncTeX の登場と最近の PDF ビューアの進歩で、 「高速」以外の長所がほぼなくなってしまいました。;-( src special は、対応していない DVI ware には害があるので、 必要なときのみ on にせねばならないという手間がかかります。 SyncTeX はその心配もなく、また精度もより高いようですから、 気にせず便利に使うことができます。 xdvi 本家(2ヶ所)に SyncTeX 対応の動きはあるのでしょうか。 ----- 土村 展之 TSUCHIMURA Nobuyuki http://www.nn.iij4u.or.jp/~tutimura/