第二世代プリアンプ

はじめに

Open I2C Radio v1.0~12月上旬のv2.0preまで使われてきたプリアンプは、工作に色々なコツが必要だとか不正輻射が心配だとか、そもそもS/N比が良好とは言いがたいという問題がありました。 その上で、使われてる部品のいくつかは詳細なデータが無い上に廃止品になってたり (2SC3110とか) して、どうもエビデンスの面でもあんまし良くない感じが否めない。 そこで、その辺を一新した上で、v1.0+を第一世代とみなして、第二世代のアンプを作ろう。と言うことで細々と動いてきました。

概要

以下のような感じです。

・廃止品やデータシートが曖昧な部品を極力排除する。

・コイルを巻くのは最低限にする。

・NFの小さいデバイスを使うようにする。

・中波・長波については、ラジオチップが差動入力であることを最大限に活かし、プラス側とマイナス側それぞれを増幅する。

・ガルバニック・アイソレータは引き続き使用するが、短波と中波それぞれ独立した二次側を持たせるようにする。

※回路図は後ほど提示します。未だ、清書が出来てない。

キーデバイス

・BFR92P (Infineon社 ft=2GHzのNPNトランジスタ http://jp.rs-online.com/web/p/bipolar-transistors/4452219/ 同系列でftの高いものでも代用できるでしょう)

・3SK294 (東芝セミコン社 NFが非常に小さい VHF/UHF増幅用のデュアルゲートFET http://jp.rs-online.com/web/p/mosfet-transistors/7560382/ )

上記二つのデバイスで比較する。一応、 FMとMW・LWはBFR92P, SWは3SK294を使ってみた。

・後、電源系にコモンモードチョーク http://jp.rs-online.com/web/p/power-line-filters/7423497/ やフェライトビーズを積極的に挿入し、スイッチを74HC139とDMG3415U (適当なNch Power MOS FETで代用できます)で制御するのは相変わらず。

作ってみて

未だ回路図がないが、許して欲しい(´・ω・`)

PC108004.JPG

大半の部品が表面実装ですが、一部の部品を除いて、ガラエポ製の万能基板のランド側に銅箔テープを使って配線していきます

PC108006.JPG

PC108007.JPG

PC108008.JPG

PC108009.JPG

電源系にはコモンモードチョークを挿入します。これは後から納品されてきたので、基板の表面に配線します。

PC108010.JPG

最初は、コモンモードチョークの電極を上にして配線してみましたが、機械的に脆弱でした

PC108012.JPG

そこで、一から作り直します。まずは、下敷きとしてポリイミドテープ(カプトンテープ)を広めに貼っておきます。

PC108013.JPG

カプトンテープの上に、ランドと配線を兼ねた銅箔テープを貼っていきます。

PC108014.JPG

予備はんだや再配線をした上で、

PC108015.JPG

コモンモードチョークを乗っけてハンダ付け。この後、テスターでしつこく短絡と断線がないか調べます。少しでも怪しければ、やり直し。

作ってみて

まず、感度を向上させることが出来ました。これは、増幅率の設定だけではなく、デバイス自体のNFが小さい事が最も大きな理由だと思います。特に、中波帯で思い切ったことをやってるのですが、これは動くまでが難儀だったけど(まさか、銅箔が切れてるのが動かない原因とは思わなんだ)、動いたら安定していてしかも関東の西側で昼間に秋田放送やRadio Rossiが聞こえる程度まで感度が向上しました

短波帯は、FETの|yfs|が抵抗負荷を5V電源でやるには十分に高くないので(※とはいえ、概算値で20ms程度は出てるので、けして低くもない)、結局コイル(FT-82-43 12回程度のバイファイラ巻き)を使いましたが、まぁまぁです。高調波やイメージ混信が出ないレベルで最低でも17MHz帯までは結構上手く増幅できている。

FM帯は、アンテナが余りに悪いのですが、何とかInter FM(76.1MHz)やFM富士(78.6MHz, 三つ峠送信所)が聴こえるところまで周波数特性が改善出来ました。

詳細はまた後ほど