[Faif-translation] Re: 11章の翻訳

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yomoyomo ymgrt****@ma*****
2002年 8月 3日 (土) 19:19:32 JST


yomoyomoです。

後藤さん、ごぶさたしております。
早速のご指摘ありがとうございました。
それなのに返事が遅れて申し訳ありません。

Gotou You さんは書きました:
>>      Over the past 15 years, free and low-cost software has become
>>      ubiquitous. This conference will bring together implementers of
>>      several different types of freely redistributable software and
>>      publishers of such software (on various media). There will be
>>      tutorials and refereed papers, as well as keynotes by Linus
>>      Torvalds and Richard Stallman.(1)
>>      この15年で、フリーで低コストなソフトウェアが至るところに存在す
>>      るようになった。このカンファレンスにおいて、(様々なメディアを
>>      対象とした)いろんなタイプの自由に再配布可能なソフトウェアと
>>      そうしたソフトウェアの作者が一同に会する予定である。
>
>【(様々なメディアを対象とした)いろんなタイプの自由に再配布可能なソフ
>トウェアとそうしたソフトウェアの作者が一同に会する予定である。/いろんな
>タイプの自由に再配布可能なソフトウェアの作者と(様々なメディアを対象とし
>た)そうしたソフトウェアのパブリッシャーが一同に会する予定である。
>;publishersが脱けてたのと括弧内の言葉がpublishersにかかるように読めるので】

少し工夫したつもりでしたが、後藤さんのように普通に訳すほうが正しい
ですね。これは誤訳でした。

>>    As a former GNU Project member, Raymond sensed an added dynamic to
>> the tension between Stallman and Torvalds. In the decade since
>> launching the GNU Project, Stallman had built up a fearsome reputation
>> as a programmer. He had also built up a reputation for intransigence
>> both in terms of software design and people management. Shortly before
>> the 1996 conference, the Free Software Foundation would experience a
>> full-scale staff defection, blamed in large part on Stallman. Brian
>> Youmans, a current FSF staffer hired by Salus in the wake of the
>> resignations, recalls the scene: "At one point, Peter [Salus] was the
>> only staff member working in the office."
>> かつての GNU プロジェクトのメンバーと同様、レイモンドはストールマン
>> とトーバルズの間の緊張に余計なエネルギーが費やされると感じた。
>> GNU プロジェクトを立ち上げてからの10年で、ストールマンはプログラマー
>> として大変な評価を確立していた。同時に彼には、ソフトウェア設計と
>> 人的管理の両方に関して妥協しないという評判が定着していた。
>> 1996年のカンファレンスの少し前に、フリーソフトウェア財団からかなりの
>> 規模のスタッフが離脱したのだが、その責任の大部分はストールマンにあった。
>
>
>【;やめていないSalusが、resignationsの後でYoumansを雇ったのでは ? 】
>
>
>> 辞任したサルスの後釜として FSF に雇われた現スタッフの Brian Youmans は、
>> 当時の現場を以下のように回想する。「一時、ピータ(・サルス)
>> がオフィスで働いている唯一のスタッフだったんだ」

うーん、「やめていないSalusが、resignationsの後で」というのはちょっ
とおかしいのでは。
それはともかく、「サルスにより FSF に雇われ、サルスが辞めた後に彼の
後を引き継いだ現スタッフの Brian Youmans は、」という感じでしょうか。

>>    "At the Kongress, they gave me a standing ovation at the end of the
>> speech," Raymond recalls. "I took that as significant for two reasons.
>> For one thing, it meant they were excited by what they were hearing.
>> For another thing, it meant they were excited even after hearing the
>> speech delivered through a language barrier."
>> 「Linux Kongress では、講演が終わると聴衆が僕にスタンディングオベイション
>> をしてくれたんだ」とレイモンドは振りかえる。「僕はそれは二つの意味で
>> 重要だと思った。一つには、彼らが講演内容に興奮したということ。
>> もう一つは、講演uキいた後も言葉の壁を乗り越えて興奮していたということだ」
>
>【講演uキいた後も;講演を聞き終わった後も ? 「言葉の壁を乗り越えて」は「言葉
>の壁があったのに」くらいがいいかも 】

これ文字化けです。
何か最近メーラの文字化けがひどいのですよ。AL-Mailの最新版のバグなのか
それとも根深い問題なのか…

あと確かに「言葉の壁を乗り越えて」じゃあ何か別の話みたいですね。ご指
摘通りだと思います。

>>    "The meeting's agenda boiled down to one item: how to take advantage
>> of Netscape's decision so that other companies might follow suit?"
>> Raymond doesn't recall the conversation that took place, but he does
>> remember the first complaint addressed. Despite the best efforts of
>> Stallman and other hackers to remind people that the word "free" in
>> free software stood for freedom and not price, the message still wasn't
>> getting through. Most business executives, upon hearing the term for
>> the first time, interpreted the word as synonymous with "zero cost,"
>> tuning out any follow up messages in short order. Until hackers found a
>> way to get past this cognitive dissonance, the free software movement
>> faced an uphill climb, even after Netscape.
>> 「そのミーティングの議題は、一つの事項に凝縮された。それは、他の企業
>> が同調するかもしれないので、Netscape の決定をうまく利用する方法は?
>> というものだ」レイモンドは、そこで行われた会話は覚えていないが、
>> 最初にクレームをつけてきた人間のことはしっかり覚えている。
>
>【最初にクレームをつけてきた人間/最初に出てきた不満;人間とやると人に比重がかかると思う】

そうですね。「人」を補ったのは行きすぎでした。飽くまで抽象的な「不
満」ですね。

>>    Looking back, Peterson says she came up with the open source term
>> while discussing Netscape's decision with a friend in the public
>> relations industry. She doesn't remember where she came upon the term
>> or if she borrowed it from another field, but she does remember her
>> friend disliking the term.(5)
>> 当時を振り返り、広報業界で働く友達と Netscape の決定について議論
>
>【広報業界/広告業界;industryとあるのでadvertisementの業界と理解していい
>のでは。】

ありゃ、なんだ広報業界って? こりゃヘンですね。

>> 「こうした人達は皆共通点が多いのに、彼らがお互いのことを知らない
>> のに驚いたんだ」とオライリーは語る。「フリーソフトウェア文化が
>> それまでにいかに大きな影響を及ぼしてきたかを世界に知らしめたいと
>> 思ったのもある。一般の人達は、フリーソフトウェアの伝統の大半を
>> 見逃していたんだ」
>
>【一般の人達は/みんな;一般のとあるとコミュニティの人を除くニュアンスにな
>ると思うので】

これの原文は、

> "All
> these guys had so much in common, and I was surprised they didn't all
> know each other," says O'Reilly. "I also wanted to let the world know
> just how great an impact the free software culture had already made.
> People were missing out on a large part of the free software tradition."

ですが、ここでのPeopleは、その前のthe worldを受けていると思ったの
で「一般の人達」と訳しました。まあ、確かにその前にコミュニティの人
間だってお互いのことを知らない、という記述があるのですから、ここは
「みんな」のほうが包括的でしょうね。

>>    For some observers, the unwillingness to include Stallman's name on
>> the list qualified as a snub. "I decided not to go to the event because
>> of it," says Perens, remembering the summit. Raymond, who did go, says
>> he argued for Stallman's inclusion to no avail. The snub rumor gained
>> additional strength from the fact that O'Reilly, the event's host, had
>> feuded publicly with Stallman over the issue of software-manual
>> copyrights. Prior to the meeting, Stallman had argued that free software
>> manuals should be as freely copyable and modifiable as free software
>> programs. O'Reilly, meanwhile, argued that a value-added market for
>> nonfree books increased the utility of free software by making it more
>> accessible to a wider community. The two had also disputed the title of
>> the event, with Stallman insisting on "Free Software" over the less
>> politically laden "Freeware."
>> 推移を見守る人達には、招待リストにストールマンの名前を入れようと
>> しないことで、彼を冷遇しているように見えた。「それで僕はそのイベントに
>> 行かないことにしたんだ」と Perens はサミットを振りかえって言う。
>> 一方出席したレイモンドは、ストールマンがいても無益だと主張したと言う。
>
>【ストールマンがいても/ストールマンを入れるのは;結果は同じかもしれないが
>よりはっきりするしStallman's inclusionとあるので】

後藤さんの案のほうがニュアンスとして正確なようですね。反映させても
らいます。

>>    Looking back, O'Reilly doesn't see the decision to leave Stallman's
>> name off the invite list as a snub. "At that time, I had never met
>> Richard in person, but in our email interactions, he'd been inflexible
>> and unwilling to engage in dialogue. I wanted to make sure the GNU
>> tradition was represented at the meeting, so I invited John Gilmore and
>> Michael Tiemann, whom I knew personally, and whom I knew were
>> passionate about the value of the GPL but seemed more willing to engage
>> in a frank back-and-forth about the strengths and weaknesses of the
>> various free software projects and traditions. Given all the later
>> brouhaha, I do wish I'd invited Richard as well, but I certainly don't
>> think that my failure to do so should be interpreted as a lack of
>> respect for the GNU Project or for Richard personally."
>> 当時を振りかえってみて、オライリーはストールマンの名前を招待リスト
>> から外して冷遇する決定をしたつもりはないという。「当時僕はリチャードと
>> 個人的に会ったことがなくて、電子メールでやり取りを行ったのだけど、
>> 彼は頑固で対話に参加するのを良しとしなかったんだ。僕はその会議で GNU
>> の流儀を説明してもらおうと思ったんで、John Gilmore と Michael Tiemann
>> を招待したんだ。彼らのことは個人的に知っていたし、GPLの価値に情熱を
>> 持っていて、しかも多様なフリーソフトウェアのプロジェクトやその流儀の
>> 強みと弱みについて率直な意見交換を快くやってくれるだろうと思ったからね。
>> その後の大騒ぎを考えると、僕はリチャードも招待すべきだったと痛感
>> するんだけど、僕がそうして失敗してしまったのは GNU プロジェクトに対して
>> 敬意が欠けていたからじゃなくて、リチャードのパーソナリティに対して
>> 敬意が抱けなかったからだと間違いなく思う」
>
>【GNU プロジェクトに対して敬意が欠けていたからじゃなくて、リチャードのパー
>ソナリティに対して敬意が抱けなかったからだと間違いなく思う/もちろんGNU プロ
>ジェクトやリチャードのパーソナリティに対して敬意が欠けていたからだと解釈す
>べきじゃないと思う;両方否定してると思う】

ああ、そうか。GNUに敬意を払ってないわけでもなければ、RMSのパーソナ
リティに敬意が欠けたわけでもない、ということでした。

>>    Even before the LinuxWorld show, however, Stallman was showing an
>> increased willingness to alienate his more conciliatory peers. A few
>> months after the Freeware Summit, O'Reilly hosted its second annual Perl
>> Conference. This time around, Stallman was in attendance. During a panel
>> discussion lauding IBM's decision to employ the free software Apache web
>> server in its commercial offerings, Stallman, taking advantage of an
>> audience microphone, disrupted the proceedings with a tirade against
>> panelist John Ousterhout, creator of the Tcl scripting language.
>> Stallman branded Ousterhout a "parasite" on the free software community
>> for marketing a proprietary version of Tcl via Ousterhout's startup
>> company, Scriptics. "I don't think Scriptics is necessary for the
>> continued existence of Tcl," Stallman said to hisses from the fellow
>> audience members.(6)
>> しかし、LinuxWorld ショーの前にも、ストールマンは彼をなだめる仲間が
>> ますます離反したくなるような態度を見せていた。フリーウェア・サミット
>> の数ヶ月後、オライリーは二度目となる年一回の Perl カンファレンスを開催した。
>> 今回はストールマンも出席した。フリーソフトウェアである Apache
>> ウェブサーバを商用製品に採用するという IBM の決定を称賛するパネル
>> ディスカッションにおいて、ストールマンは聴衆者に与えられるマイクを使って、
>> Tcl スクリプト言語の作者であるパネリストの John Ousterhout に対して
>> 長広舌の非難を浴びせ、議事を妨害した。ストールマンは、
>
>【議事を妨害した/進行を混乱させた;議事というと議決を前提にした討論を連想
>するので(狭く解するのは個人的な見解かも)。】

この事件(?)の具体的なレポートを読んだことがないので、RMSの態度や
件のパネルディスカッションがどういう性質のものか正確に分からないです
なあ。
RMSがTcl自体を嫌っているのは有名ですが、そうしたいきさつがどの程度
影響しているのか、とか。

なぜ Tcl を使うべきではないのか
http://www.os-omicron.org/~takano/private/trans/tcl_j.html
The Tcl War
http://www.vanderburg.org/Tcl/war/

修正するとするなら、「議事の進行を妨害した」で良いと思います。
広辞苑第四版をひいても、議事には「会合して相談すること。また、そ
の内容。」という意味しかありませんし。

>>    Then again, as the recent debate over open source also shows, in
>> instances when Stallman has stuck to his guns, he's usually found a way
>> to gain ground because of it. "One of Stallman's primary character
>> traits is the fact he doesn't budge," says Ian Murdock. "He'll wait up
>> to a decade for people to come around to his point of view if that's
>> what it takes."
>> その反面、最近のオープンソースを巡る論争でも明らかになったように、
>> ストールマンが自説を曲げない場合、彼はいつもそれにより立場を強固に
>> するための方法を模索していたのだ。「ストールマンの主な性格上の特徴の
>> 一つに意見を変えないことがある」と Ian Murdock は言う。
>> 「それにこだわるならば、彼はこれから十年間、人々が彼の主張に同調する
>> のを待ちつづけることになるだろう」
>
>【それにこだわるならば、彼はこれから十年間、人々が彼の主張に同調するの
>を待ちつづけることになるだろう/もしそれだけの時間が必要なものなら、彼の
>立場に人々がやって来るまで十年でも待つだろう】

うーん、ここは正直訳していてよく分からなかったところです。
なるほど、RMSならそれだけ耐えられるということなのですか…


それではもう少しすれば時間ができるので、後藤さんの指摘を反映したパ
ッチなりを出したいと思います。
もちろんこれからの指摘も歓迎します。



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