KANOU Hiroki
kanou****@khdd*****
2004年 5月 20日 (木) 12:54:18 JST
狩野です。 今後の改良として最も具体的に効果が上がりそうなのが、新しい文字の定義です。 この点について第三・第四水準漢字の定義を作成されていた (残念ながらディスクが 壊れてデータを失われたそうですが) 内田さんとも話したのですが、現状の部品 定義をルール化して、校正しないと、新しい定義は困難だということで一致しました。 そのような作業ルールの案を作成しましたのでご覧ください。今まで用いられてきた 暗黙のルールをできるだけ生かすように作られています。異論・改良案や捕捉すべき 点など、ご意見戴ければ幸いです。 ---------------- 和田研フォントキットの文字定義に使う部品名を整理するためのルール案 1. ファイルの構成 1.1. ファイルは日本語 EUC で作成する。 1.2. 改行コードは LF を用いる。 1.3. ファイル内で 1 バイト仮名・補助漢字は使用しない。 1.4. 部品名・文字名には JIS X 0208 の漢字と平仮名のみを使用する。 1.5. 文字のコード名には ASCII の英数字とハイフンのみを使用する。 1.6. alljis.l, jis3-*.l (連結して改名予定), joint-aj1.l の順に、プリミティブ定義 (セミコロンで始まるコメント行に表記) とその使用が自己完結していること。 2. 字体のよりどころ 2.1. 単独漢字に関しては JIS X 0208-1990 の例示字体を、補助漢字のコード名表記 (1-XX-XX の形)に関しては、JIS X 0212-1990 の例示字体をそれぞれ準拠字体とする。 2.2. JIS 第一水準漢字の拡張新字体も準拠字体であるので「○の新字」と呼ばない。印刷標準字体であっても、「旧○」と呼ぶ。 2.3. 例:「迦」は一点しんにょうの迦を、「旧迦」は二点しんにょうの迦を表す。 3. 部品命名の優先順位 a) 単独漢字 (1.4 より JIS X 0208 に限定される) b) 部首名 (プリミティブとして定義されているもの。平仮名のみで表記する) 現在の問題:「くのじ」と「くのじくのじ」が別の物であること c) 仮名文字名 (「○のじ」) d)「旧○」「○の新字」 後者は、単独字が存在しない場合に限られる。 e)「○へん」「○つくり」「○かしら」「○にょう」「○たれ」「○かまえ」 その位置で使われる時に一般的な変形 (へんの末筆がはねるとか) を施していることを示す。連濁しない。 f) 連結名 (「むのじにんにょう」とか)、「三○」 並べる方向はとくに明示しない。同じ部品からなる複数の並べ方があって曖昧さを生じる場合には、マイナーな方のみに明示する (下記 i1) 参照) g)「○の{左|右|上|下|中}」 どれも合致しない場合は「○の右上」のように複数組み合わせて使用可。 JIS X 0208 の区点番号で最初のものを取る。 h)「○の{左|右|上|下|中}{へん|つくり|にょう|たれ|かまえ」 i) 置き換え名 部品の一部・または組合せ方を置き換えたもの。置き換えを指定する接頭語は平仮名で表記。 i1)「たて○」「よこ○」 1) 「たて月」「たて用」の場合は、縦で使われる時の形態を指す。 2) 一般には、組合せのトップレベルが、(tate ...) であることを示す。 2-1) 部品名の列挙で、並べ方がマイナーである事を示す。 「たて人人」 2-2) 動用字を示す。「よこ荊」「たて臈」など。 i2)「はしご高」のような定着したもの i3)「ぼうごんべん」「うえ稽」のような新たに定義したもの j) コード名 より優先されるものの alias として定義することは許容されるが、他の文字の部品定義では最も優先順位の高い物を使用すること。 j1) 1-XX-XX JIS X 0212:1990 の例示字体。 j2) 3-XX-XX JIS X 0213:2004 の第三水準漢字の例示字体。作業開始までは使用しない。 j3) 4-XX-XX JIS X 0213:2004 の第四水準漢字の例示字体。作業開始までは使用しない。 j4) uniXXXX Adobe-Japan1 にある文字で、独立したUCS が割り当てられている物。 j5) cidXXXX Adobe-Japan1 にある文字で、単なる異体字。 k) できるだけ使用しないもの 曖昧であったり、文字そのものを見ただけではその意味するところが分からない (他の資料を参照しなければならない) もの。 k1)「×画の○」 「旧旧牙」よりは「四画の牙」のほうがましだと思うが、「十八画の龜」は直感的ではない。 k2)「旧旧○」 「旧旧羽」(下をはねない) は「旧羽かしら」としたらどうであろう。 k3)「○の包摂」 k4)「○もどき」