2010-05-09 14:59 (by ohkubo-k)

みなさま

羅英(ELD, LS)、希英(ML, LSJ)のEPWINGデータを更新しました。
ギリシア語の検索方法を今までのベータコードからローマ字音訳に変更しました。これでより自然に検索できると思います。
また、ELDについて辞書本体の脱字や変化形リンクなどを改良しました。

更に、やはりPerseusのデータを元にして、Sir William Smithの古典辞典
  A Dictionary of Greek and Roman Antiquities (1890, 3rd ed)
  A Dictionary of Greek and Roman Biography and Mythology
  Dictionary of Greek and Roman Geography (1854)
のEPWINGデータも新規公開しました。
百年以上前の辞書ですが、物事・人名・地名について大変詳しいです。全部でELD8冊分くらいの分量があります。古典理解の強力な助っ人になることでしょう。

こちらからどうぞ。
	http://classicalepwing.sourceforge.jp/



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▼ギリシア語の検索方法の変更について
いままでは、ベータコードというコンピュータ処理のためのギリシア語表記法を元に検索するようにしていました。しかし、一般的なローマ字音訳表記とは異なるため、検索語のの入力が面倒と思いました。
今回、一般的なローマ字音訳で検索できるように改良しました。EPWINGの利点である串刺し検索で、英語・ラテン語などの辞書と一緒に見つけられるようになりました。
詳しくは以下をご覧下さい。
	http://classicalepwing.sourceforge.jp/usage.html#greek

希英辞典の見出し語検索だけでなく、*条件*検索で全ての辞書本文のギリシア語も検索できます(全文検索では見つかりません)。

なお、WindowsでUnicode版EBWinをご利用の方は、ebwin-confに含まれるalternate.ini も更新してください。これでギリシア文字から直接検索できます。

なお、私はギリシア語については全くの初心者です。
表記に誤りや改善点がありましたら是非お知らせ下さい。

▼ELDの改良点
o 辞書本体の脱字箇所(<*>でマーク)を全て修正しました(約200カ所)。
o 見出し語の表示形式誤りを数カ所直しました。
  nihil or nil, nihilum or nilum など

▼変化形見出し付ELDの改良点
o スペル違いの見出しへもジャンプできるようにしました。リンク約7千件増。
  例:adclamavit -> adclamo -> acclamo (adc-)
o 形式受動態と思われる語については、受動態形式へのリンクを参考までに付けるようにしました。語尾にrを付けた見出しを機械的に付けただけなので、語として必ず正しいわけではありません。リンク約2千件増。
  例:reminiscere -> reminisco -> reminiscor

同様の改良をLewis&Shortにもしてありますが、LSでは主見出し・副見出しが充実しているので、今までのものとあまり変わりありません。

▼希英辞典
今回、希英辞典本体、変化形データについては何も変えていません。
検索方法がローマ字音訳になっただけです。


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Sir William Smithの古典辞典
  A Dictionary of Greek and Roman Antiquities (1890, 3rd ed)
  A Dictionary of Greek and Roman Biography and Mythology
  Dictionary of Greek and Roman Geography (1854)
は、私のような素人にはとても読み切れないほど、非常に詳しい辞典です。

Perseusの以下のサイトにあります。
http://www.perseus.tufts.edu/hopper/text?doc=Perseus%3atext%3a1999.04.0063
http://www.perseus.tufts.edu/hopper/text?doc=Perseus%3atext%3a1999.04.0104
http://www.perseus.tufts.edu/hopper/text?doc=Perseus%3atext%3a1999.04.0064

百年以上前のもので最近再版されたようで、全部揃えようとすると20万円くらいするようです。お持ちの方は、OLDなどよりも少ないかと思います。

▼Antiquities
見出し語約4千、全体で約百万語。
挿絵約千枚付きのデータも作りました。様々な器具やコインなどがあります。
例えばdomusの項では、様々な邸宅の詳細な平面図がいくつもあります。
国会図書館で現物を参考に、脱字を約80カ所修正しました。

▼Biography
見出し語2万5千、全体で約2百万語。ELD4冊分の人名辞典です。
同姓・同名の項目が何十と並ぶことも珍しくありません。その人物が言及された出典番号なども書かれており、普通の辞書で見つからなかったときは一見の価値ありだと思います。

見出し語が複数の語からなるとき、それぞれの語について検索するようにしてあります。例えば "caesar"を検索すると、多数ある"caesar"のほかに、"Germanicus Caesar"なども見つかります。
これには理由があり、例えばSenecaに関する見出しは
  - Annaeus Se'neca
  - M. Annaeus Se'neca or the elder Seneca or Seneca the elder
  - L. Annaeus Seneca or Seneca the Younger or the Younger Seneca
の3つがあるのですが、単純にsenecaを前方一致検索をすると、いずれも見つからないのを避けるためです(Perseusでは見つかりません!)。
一般には、フルネームの2つめにある家名を検索するときなどに役立つかと思います。

挿絵約6百枚は、ほとんどがその人物のコインで、家系図も少しあります。

紙版の第3巻末に、ギリシア・ローマの歴史年表、各地域の王族名などが約100ページありますが、このデータはありません。

▼Geography
見出しは1万強、全体で約百万語。Romaの項は紙版で150ページ分ほどあります。
挿絵データは今後作成予定です。残念ながらあまり地図はありません。

国会図書館で現物を見ると、第2巻冒頭にERRATAページがありましたので反映しました。
また本文の脱字箇所を約30カ所修正しました。


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4月後半からダウンロード数が多くなりました。学生さん達に利用されているなら嬉しいです。ただ、変化形見出し付きの電子辞書は便利ですが、頼りすぎるといつまでも変化形を覚えられないかも知れません。4月上旬にリリースできればよかったですが、間に合いませんでした。W.Smithの古典辞典と併せて広まれば幸いです。

なにかお気づきの点、改良点などありましたら、どうぞ掲示板
	http://sourceforge.jp/forum/forum.php?forum_id=18877
までお知らせ下さい。
次回リリースは秋を予定しております。
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